大河内 淳子

中小企業ながら世界とつながる仕事

1993年4月入社

大河内 淳子

品質管理部

Brief Personal History

品質管理部部長

岡山市出身。京都外国語大学英米語学科を卒業後に入社し、海外営業部に配属される。のちに女性総合職第1号、産休・育休取得者第1号となり、結婚・出産を機に品質管理部への異動、普通職への転換、総合職への復帰などを経験。現在は、女性初の管理職として品質管理部の部長を務める。3人の子育てをしながら数々の海外出張もこなす自分なりのワークスタイルを確立している。

当時の造船業界は男性中心だったと思いますが、応募のきっかけは?

大学で学んだ英語に関わる会社で働きたかったというのが一番の理由です。私が入社した1993年当時は、庶務を担当する事務職の女性はいましたが、総合職の社員は男性だけでした。ナカシマプロペラのことは全く知らず、たまたま母から「こういう会社が岡山にあるよ」と聞いて調べたところ、海外営業の枠で募集があり、応募しました。

入社後のキャリアステップについて、お聞かせください。

海外営業部に配属後は、海外メーカーの英文カタログの和訳や輸出書類の作成などの補佐業務が中心でした。会社としても、4年制大学卒の女性を採用した前例がなく、私の処遇については試行錯誤だったと思います。

入社して数年後に、女性総合職制度が初めて導入されることになり、女性総合職第1号となりました。総合職になった後は、海外顧客の直接的な営業を任されるようになり、主にアメリカ市場の小形プロペラ、韓国造船所向けに船舶操船装置の一部であるスラスタの営業を担当しました。

入社10年で結婚し、第1子を出産した後、品質管理部に異動して普通職に転籍となりましたが、異動後数年で総合職に復帰し、グループ会社の品質管理の補佐業務、検査担当、品質マネジメントシステムの改正などに携わり、現在は、品質管理部で部長を務めています。品質管理部は、製品検査、品質マネジメントシステムの運用、クレーム対応が主な仕事です。

大河内 淳子

これまでのキャリアの中で最も苦しかったのは?

総合職になって、ずっとやってみたかった海外営業の担当を任されるようになり、初めてで大変というより、うれしい気持ちが勝っていて、大きなやりがいを感じていました。

ところが、結婚と第1子出産を経て復帰できたのは海外営業部ではなく、品質管理部の普通職というポジションでした。産休・育休の取得も、産後に職場復帰するのも私が初。すべてにおいて前例がなく、会社も迷いながらの判断だったと思いますが、入社当時の補佐業務に戻ってしまい、これまでのキャリアがゼロになった気がして、退職を考えたほど落ち込みました。

乗り越えられたのは、理解のある上司のおかげです。海外営業の部門があるグループ会社に転籍する話があったときに、「彼女は(ナカシマ)プロペラでの経験があるので、残って長く勤めてほしい」と言われ、私のキャリアを真剣に考えてくれていたことが本当にありがたかったです。それからは、品質管理部で自分の得意分野が生かせそうなチャンスを積極的に求めながら、与えられた機会に対して確実に結果を出すよう努力しました。そして、第3子の出産後に総合職に復帰しました。

求めていたチャンスが再び?

第3子を出産して職場復帰したころ、ナカシマプロペラは海外に拠点を設け、積極的に海外進出を推し進めていました。グループ全体の規模が大きくなり、仕事自体も海外マーケットの比率が高くなっていたため、私に海外出張の話が持ち上がりました。3人の子育て中に大丈夫なのかと気遣う周囲の声もありましたが、私から「行かせてください!」とお願いし、海外出張に行くのであればと、普通職から総合職に復帰することになりました。これを機に、品質管理部として海外事業と関わる業務が増えていきました。

品質管理部でどのような海外業務を担当していますか。

海外の造船所などに出向いて、どうしてトラブルが起きたのかを説明したり、海外工場では、製品の品質に問題が発生したときに、解決するための仕組みづくりをアドバイスしたり、現地スタッフのサポートも大切な仕事の一つです。
出張先としては、グループ会社の工場があるベトナム、フィリピン、中国が多いですね。日本人スタッフが現地工場を統括するために駐在しているので、私の立場としては、そのスタッフの育成が大きな役割になっています。
※コロナ禍で海外出張は自粛中(2021年1月現在)

会社の風土・文化をどのように捉えていますか。

岡山の中小企業ながら、ナカシマプロペラの仕事は世界とつながっています。経営陣を含め、会社は社員が世界で挑戦することを応援してくれますし、仮に新人社員がチャレンジして失敗しても、怒る上司はいません。失敗を恐れず、挑戦を歓迎し、その意欲を支える企業文化が根付いています。

女性社員のパイオニアとして後輩にアドバイスするなら?

初の女性総合職、産休・育休取得、女性管理職など、女性社員のパイオニアなのかもしれませんが、女性の活躍を推進する伝道師になろうとは思っていません。一人ひとり状況は違うので、私をモデルケースにするのではなく、時代に合った、その人の考え方やポリシー、ライフスタイルに合ったやり方を見つけてほしいです。昔の自分を見ているようだと感じるときがありますが、そんなときは声をかけてあげたい。男女を問わず、がんばりたいと思っている人には「ちゃんと見ているよ」と伝えてあげたいですし、ちょっと沈んでしまいそうなときは、ふっと持ち上げてあげられる存在でありたいと思いますね。

どんな後輩を迎えたいですか。

長く続いている会社だからこそ、凝り固まっていると感じる部分もあります。世代交代の時期を迎え、築いてきたものを継承することも大事だけれど、変えること、変わることの大切さを会社全体で強く意識しています。
自分が変わる、何かを変えるには大きなエネルギーが必要です。何事も恐れず、失敗してもチャレンジしようとする若い力を歓迎します。表に出さなくても、うまく言葉にできなくても、内に秘めているものは、必ず輝きを放つときがくるので、バックグランドがどうであれ、「自分の感性を大切にしてください」と伝えたいです。

大河内 淳子
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